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第二十八回「お席について、お待ちください。」

  • 執筆者の写真: 縁劇集団ムコウミズ
    縁劇集団ムコウミズ
  • 2021年3月18日
  • 読了時間: 2分

開演が迫ってきました!

幕の裏には忙しない空気と静かな高揚が、客席には自分の席はどこかしらとほんの少しの戸惑いを感じて通路を移動する人やパンフレットをみる人を包む小さなざわめきが満ちている……。

明日にはそんな瞬間が荻窪小劇場に生まれます。

ただ、今回の公演に緞帳はありません。それに客席にあるのは通路というより椅子と椅子の間のスペースという感じのもの。そう、それに自由席なのでチケットの番号と椅子の番号を照らして辺りを見回すなんてこともないのです。むしろどの席がいいんだろうって謎に人生の選択を迫られる(笑)。

こんなとき、みなさんはどの辺に座ります?

僕はできるなら一番後ろの一番端に座りたい。そこなら舞台の上だけでなく客席の空気感や劇場の空間全体を強く感じられるから。なんか楽しいんですよね。

思えば学校とか習い事とか、バイトなんかでも、真ん中より少し外側からコミュニティを眺めるのが好きなんです、僕。(稽古場では出たがり欲しがりと言われてますが笑)それで思うんです。傍観者が傍観者として感じたモノを手にぶらさげながら小さな世界を繋げていくこともできるんじゃないかなって。旅する吟遊詩人というか、フウテンの寅さんというか。「演劇」というか。

「演劇」も人の生活のなかで息するなら、中央の席で大見得を切るのでなく、世界劇場全体が見える席に座るべきなんじゃないか。それに、席があるか不安になって一人で席取りゲームするほど辛い戦いはない。稽古してきて感じることです。

さぁ、劇場でどこの席に座るかみなさん考えてみてください。ワクワクっ!

あ、でも役者は前列の席空いてると寂しいのでご来場の際はぜひ前の席へどうぞ(笑)。

2021年3月18日

縁劇集団ムコウミズ

俳優 小野口伊織


 
 
 

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